藤井基之の国会レポート 2003(その2)


早くも2月、梅の香のにおう季節となりました。「梅一輪 いちりんほどの 暖かさ」と芭蕉の弟子、服部嵐雪は詠いました。以前に、「両の手に 桃と桜や 草の餅」という芭蕉の句を引用しましたが、この句は、芭蕉が、宝井基角と嵐雪の二人の高弟を、桃と桜に喩えて詠んだ句だそうです。

 嵐雪の句の通り、立春を過ぎ、少し暖かいなと思ったら翌日はまた厳しい寒さ。それでも梅の花が一輪、一輪と開くたびに、少しずつ春めいて来ているようです。新年が始まって1ヵ月半、いろいろな組織、団体の新年賀詞交換会が毎日のようにあり、私もできる限りご挨拶に伺おうと走り回りました。それも、2月に入ってようやく落ち着き、春の気配を感ずる余裕もできました。

 しかし、のんびりはできません。1月20日、通常国会が召集されて3週間。まずは平成14年度補正予算の審議が始まり、1月30日に参議院で承認されました。続いて、2月に入り、各党代表質問が行われた後、現在は、衆議院予算委員会で平成15年度国家予算の審議が始まっています。

 予算審議の模様はテレビ放映されており、ご承知のとおりの展開となっています。小泉首相が、心なしかお疲れのように見えましたが、大丈夫、お元気です。国会は6月まで150日間の長丁場ですが、景気対策、構造改革、イラク問題と難題山積の国会の幕開けです。

 とはいうものの、党の部会、調査会、勉強会、議連等も次々と動き始めています。国会開会中のこれら部会、調査会等は、朝8時から、あるいは8時半からといった大変早い時間に開かれます。まさに、夜型から朝型に切り替えないと、議員生活はできません。

そうした部会等の中で、主なものの動きをご紹介することといたします。

まず、2月5日、朝8時半から党の医療基本問題調査会が開かれました。今年最初の会合でした。議題は「医療制度改革」。昨年の第154通常国会で、健康保険法の改正が行われました。その改正健保法の附則第2条で、「政府は、医療保険制度の安定的運営を図るため、平成14年度中に、次に掲げる事項について、その具体的内容、手順及び年次計画を明らかにした基本方針を策定するものとする。」と定めています。

 その「次に掲げる事項」とは、

1 保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方
2 新しい高齢者医療制度の創設
3 診療報酬体系の見直し

 の3項目です。そこで、昨年11月、まず自民党の医療基本問題調査会のワーキンググループが中間まとめを作成し、次いで12月には、厚生労働省が3項目についての「厚生労働省試案」をまとめ、発表しましたが、5日の医療基本の会議では、厚生労働省試案について、改めて、同省から説明を受けました。いよいよ、医療制度改革の議論は核心に入って行きます。

 3項目についての厚生労働省の試案の考え方は、既にご紹介した通りで、1) 地域の医療提供のまとまりに見合った保険者ら統合、再編を進めること、2) 年齢構成や所得の相違による保険料負担の差異を是正すること、3) 世代間の負担の公平を図ること、を基本として、保険者の統合、再編については、国保も、政管健保も、組合健保も、都道府県を単位として「都道府県単位での運営」を基本保的方向とすることとする、とし、また、新高齢者医療制度では、年齢構成による財政調整を行う方式、と独立した高齢者医療制度方式の二つの案を併記しています。

 医療基本では、自民党のワーキング・グループの中間まとめを踏まえつつ、厚生労働省試案を議論して行くことで了解されました。また、今後、3月中旬までに党としての考え方をまとめて行くことさされました。

 ところで、今年の4月から被保険者本人の一部負担金が、現行の2割から3割に引き上げられることとなっていますが、昨年の医療費改正以降、保険医療費は抑制される傾向にあることから、患者負担の引き上げは必要ないのではないか、当面実施を凍結したらどうか、との考え方が出ています。

 野党4党も3割凍結法案を今国会に提出するとしていますが、国会の質疑に答えて、小泉首相は、3割は国民皆保険を守るために必要な改革であり法律通り実施をする、と明言しています。3割の凍結は、現在審議中の平成15年度国家予算に直接影響しますので、予算審議中にこの議論はさらに深められて行くでしょう。

 また、上述のように医療制度改革に関する基本方針も3月までにはまとめられることとなっていますが、この問題を避けて通ることはできないでしょう。私は、「誰もが安心して暮らすことのできる長寿社会の構築」を政治ビジョンとして国会に送っていただきました。

 したがって、「国民皆保険制度を堅持して行くためにはどうするのが一番良いのか」、「国民医療を守るためにどのように行動すべきか」、を基本に、今後の議論において、この問題に対する自分の考えをまとめて行きたいと考えています。

 次に、食品の安全性確保について、2月4日、自民党政務調査会の「食の安全確保に関する特命委員会」が開かれました。議題は、食品安全基本法案についての審議でした。BSE問題や食品の虚偽表示、健康食品のよる健康被害等に端を発する食品の安全性、信頼性の問題から、今国会では、食品衛生法の大幅な改正が予定されていることは既にご紹介しましたが、それと併行して、「食品安全基本法」を制定する準備が進められています。

 これは、BSE問題等において、食品行政が、農林水産省、厚生労働省に分かれ、また、食に関係する法律も多岐多数にわたっていたことから生じた問題もありました。また、食品は、農水産業、食材の加工、製造、輸入、流通、飲食業等広範な業界に関係していますそして、何より食品そのものの種類も多岐にわたっています。

 なんといっても、食を摂るということは、人が生きることそのものであります。人間の生命の根源を支える食の安全性、信頼性が揺らいでしまうのでは社会は成り立ちません。そこで、「原子力委員会」と同じように、内閣直結の「食品安全委員会」を設置し、重大な食品の安全問題には、直接、内閣が関与、統括して施策を講じて行く体制をつくる、そのため、「食品安全基本法」を制定することとなりました。

 食品安全基本法案では、「食品の安全性の確保」を図るために、「関係者の責務及び役割」を明らかにし、「食品の安全性を確保するための総合的な施策を推進する」としています。そして、1) 食品の健康影響評価と、これに基づく施策の決定、2) 緊急事態への対処、発生防止、3)  関係者相互間の情報及び意見の交換の促進、等の施策に関わる基本方針を作成すること、そのために「食品安全委員会」を設置することとしています。

 食品問題については、今国会には、食品安全基本法案、食品衛生法の一部改正案の他、と畜場法、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律の一部改正案、厚生労働省所管の健康増進法の一部改正案等が、また、農林水産省等所管の関連法案が提出されます。

 私も、厚生労働委員会の委員として、また、党厚生労働部会の「食品衛生規制に関する検討小委員会」の幹事として、直接、この問題に関わって行くこととなりますので、しっかり勉強しておかなくてはなりません。
 
 記録では、芭蕉と嵐雪の間にいつしか軋みが発生し、風波が立っていたそうです。しかし、元禄7年10月、嵐雪は師の訃報を聞き、芭蕉が葬られた現在の滋賀県大津市膳所の義仲寺を訪ね、「 この下に かくねむるらん 雪仏 」と詠んだそうです。もう一句、嵐雪の梅の句で、本稿を締めましょう。

[haiku=”梅干や  見知っているか  むめの花 (嵐雪)”/haiku]          

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