藤井基之の国会レポート2003(その11)


師走です。銀杏並木が国会議事堂周辺の街路を見事に真黄色に染めていましたが、先日 晩秋。関東地方はいよいよ紅葉の季節に入っています。選挙も終わり、国会は11月19日、特別国会が召集されます。
 
<東奔西走>

 10月28日に公示され、9日に投票が行われた政権選択選挙とも言われた今回の選挙。結局、与党3党が絶対安定多数を確保、やはり国民は小泉政権を選択しました。民主党の躍進と言われていますが、大方は、野党同志の食い合いの結果ではないのでしょうか。それから今回の選挙で、神奈川1区から再起を目指していた松本純先生が、見事、当選されました。真に、おめでとうございます。
 ところで、私は、参議院議員ではありますが、北海道から九州まで飛びまわることとなりました。全国区選出議員ということもあって、全国各地の立候補者の方々から多数の応援要請がありました。選挙というものは大変人使いの荒いものでありまして、公示日以降の12日間、土日休日も含め、私の日程で空いている日は一日もありませんでした。
 自宅に帰ったり、議員会館の事務所に顔を出すのは、本当に「ちょっとの間」。公示後の行程をご紹介してみますと、福岡⇒広島⇒岡山⇒福島⇒北海道⇒宮崎⇒埼玉⇒富山⇒神奈川⇒岩手⇒青森⇒石川と続きました。総行程、延べ約14000キロ。12日間で日本列島を約5回縦断した計算になります。

 しかも、上記の行程表でお分かりのように、訪問日程は、西から東へ、あるいは、北から南へと、順序だったものではありません。今日は北海道、明日は九州といった日程が続きました。福島から北海道へ夜行列車が利用できないかと思いましたら、11月最初の連休とぶつかり列車は取れず。止む無く一旦東京に戻り、翌朝早く空路札幌へ。あるいは青森から金沢へは、一旦、羽田へ着いた後、自宅に寄る暇もなく、トランジットでそのまま空路、小松へ。
 考えてみますと、2年前の私の参議院議員選挙は、7月のうだるような炎暑の真っ只中でした。今年の日本は冷夏となりましたが、あの年は特に暑かったように覚えています。それに比べて今回は秋の選挙、気温の点では大助かりでした。しかし、皆様が美しく紅葉した山々で楽しんでおられる最中に、何の因果で東奔西走、とつい愚痴の一つも言いたいところですが、そんなことは言っておられません。政治家の使命は、国民の皆様に政策を訴え、政治課題をご説明し、そして一人でも多くの同志を増やすことによって政策の実現を図ること。選挙はその最大の機会です。

 お伺いした先々で各都道府県薬剤師連盟、支部の皆様等に本当にお世話になりました。厚く御礼申し上げます。

 さて、今年もあと1ヵ月半余りとなりました。衆議院総選挙が終えた後の国政の最も重要な課題は、イラクへの自衛隊派遣問題、構造改革、規制緩和、来年度の予算編成、年金改革の基本原案の作成等であります。また、年末にかけて、来年度予算がらみで医療費改定の審議が中医協で続けられます。2回連続のマイナス改定を懸念する声もあり、厳しい議論が予想されます。また、一般用医薬品の規制緩和については、「医薬品のうち、安全上特に問題がないものの選定に関する検討委員会」での審議が続いています。どのような結論が出されるのか、注目されます。
 
<薬剤師教育6年制の問題>

 ところで、薬剤師養成教育問題については、8月末に文部科学省の委員会が6年制とすべきであるとの報告書をまとめましたが、10月29日、厚生労働省の薬剤師問題検討会が、薬剤師養成教育の6年制への年限延長を提言する中間報告書をまとめ公表しました。薬剤師問題検討会は、6年制について検討を続けて来た文部科学省、厚生労働省、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、国公立大学薬学部代表、私立薬科大学協会代表からなるいわゆる6者懇談会でまとめられた課題のうち、厚労省に関係する課題について検討するために、昨年8月、設けられたもので、中間報告では、6年制への年限延長と6ヵ月以上の長期実習の必要性、薬剤師国家試験の出題の見直し、生涯研修の充実等について提言しています。
 これで文部科学,厚生労働両省の足並みが揃ったことになります。今後は、文部科学省は、中央教育審議会に学校教育法の改正について諮問することとなりましょう。また、厚労省は、薬剤師国家試験受験資格の見直しのための薬剤師法改正を検討しています。いよいよ制度の仕組みの詳細案を決めた上で、具体的な手続きが取られる運びとなったわけです。

 薬剤師教育6年制の問題は、昭和42年、日本薬剤師会が、薬学教育協議会に対し、薬学教育の改善に関する要望書を提出したことが、その嚆矢となりました。当時の要望書では次のように薬学教育の改善の必要性を訴えています。

 「近年、特に進歩の著しい薬物療法の発達に対応して、薬局あるいは病院・診療所の薬剤部門に勤務する薬剤師が、医師その他の医療関係者と相互に協力し、医薬品の専門家としての高い評価と信頼を得てその職能を完遂し、人類の福祉に貢献するためには、今後これらの分野に、さらに有能な薬学出身者が進出することが不可欠の要件となって参りました。」、「上述(薬局や病院等の医療関係分野)のような分野に進出する薬剤師には、特に実際調剤学、臨床薬学などの医療に直結する薬学部門に関し、さらに高度の基礎知識と技術を授けることが絶対に必要であるとの結論に達しました。」、「医薬分業の完遂を目指す本会としては、誠に看過できないところであり、速やか改善を期待する次第でこざいます。」

 このように、今日と全く同じ思いを当時の薬剤師たちも持っていたことを考えますと、それ以後の36年という歳月は余りにも長かったといえましょう。
  
<抗インフルエンザウィルス薬の供給予測>

 今年の春から夏にかけて、世界中で大きな問題となった新型肺炎SARSも、9月に入って、多くの感染者を出していた中国、台湾等でも新たな感染者はなく、沈静化しました。しかし、秋も終盤に入り、カゼやインフルエンザの流行時期を控えて、厚労省はSARSが再燃する可能性を考え対策の検討を進めています。
 厚労省では、例年、インフルエンザの流行に備えて、ワクチンの確保等の対策を立てていますが、今年は,特に、SARS対策の一環としての意味も含め、10月17日、抗インフルエンザウィルス薬の供給の確保について、メーカー、卸に対する指導を行っています。

 現在、抗インフルエンザウィルス薬としては、リン酸オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル水和物(リレンザ)、塩酸アマンタジン(シンメトレル)がありますが、昨年は、インフルエンザの流行期にこれら医薬品の供給が十分でなく大きな問題となりました。特に、一部の地域では、病院には供給されているのに、薬局には供給されない、との批判の声も上がりました。こうしたことから、厚労省は、今年は早めにこれら薬剤の供給の確保に乗り出したわけですが、それぞれの薬剤について,関係メーカーからの報告により、次のように供給見通しを立てています。

リン酸オセルタミビル-カプセル    5500万CAP(690万人分)
リン酸オセルタミビル- ドライシロップ    160万本(470万人分)
(注 昨年は538万人分であり、その倍以上の量を確保)
ザナミビル水和物    29万人分(年内対応分)
塩酸アマンタジン    通常供給量とするが、必要に応じ緊急輸入できる対応を取ることとする。

 抗インフルエンザウイルス薬の確保の一方、厚労省は、インフルエンザワクチンの増産も指導しています。

[haiku=”山麓の 百年の家 銀木犀 (坪内稔典)”/haiku]           

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