藤井基之の国会レポート2003(その5)


ゴールデン・ウィークが終わり、季節は、夏模様に急速に変わりつつあります。山も野
も街も、新緑と花々の美しい過ごし易い日々が続いています。

 さて、そんな穏やかな季節とは裏腹に、新型肺炎SARSの恐怖が世界を覆っています。先日も厚生労働省からSARSの現状と国内対策についての説明がありましたが、その際には死亡率6%程度ではないかとのことでしたが、その後WHOから14 ?15%と発表されました。発生元と思われる中国ではなお患者が増加しているようです。日本国内での発生はまだ報告されていませんが、政府には、厳重な予防体制を敷いてほしいと思います。

 ところで、3月26日、医療制度改革の基本方針が閣議決定されたのに続き、これもまた医療制度改革の重要な柱である「医療提供体制の見直し」について、この4月30日、厚生労働省が、「医療提供体制の改革のビジョン」案を発表しました。

 案では、1) 患者の視点の重視、2) 質が高く、効率的な医療提供体制の構築、3) 医療基盤の整備の3つの観点から、近未来における医療体制のあり方についての幅広いビジョンを掲げ、そしてそのために必要な施策を掲げています。その内容は、次のような項目からなっています。

 A. 患者の視点の重視
   1) 医療に関する情報提供の推進
   2) 安全で安心できる医療の再構築
 B. 質が高く効率的な医療の提供
   1) 質の高い効率的な医療提供体制の構築
   2) 医療を担う人材の確保と資質の向上
 C. 医療の基盤整備
   1) 生命の世紀の医療を支える基盤の整備
 
 主な内容を見てみますと、まずAでは、患者が主体的に医療機関を選ぶことができるよう、医療機関に関する情報を積極的に提供する、また、患者と医師の信頼関係のもとに診療情報を提供し、患者が診療内容についても希望をいえるようにする、また、患者と薬剤師の信頼の下に、医薬品に関する情報提供、服薬指導を推進する、と患者中心の医療提供体制のビジョンを描いています。そして、そのためにインターネットなどを通じた医療機関情報の開示、日本医療機能評価機構の評価の推進、カルテ情報の開示の促進、等の施策が必要としています。

 また、B質が高く効率的な医療の提供、では、医療機関の機能分化の推進、そして、そのための病診連携、地域医療連携による医療提供体制がビジョンとして描かれています。

 特に、医薬分業50%を越えた今日の状況を反映して、病診連携だけでなく、病院・薬局、診療所・薬局の連携の推進を、また、かかりつけ医、かかりつけ歯科医師とともに、かかりつけ薬剤師の普及・推進を図るべきと提案されています。さらに医療従事者の確保と資質の向上について触れ、医師、歯科医師の臨床研修必修化に向けた対応の推進、薬剤師国家試験受験資格の見直し(6年制への見直し)等の施策が上げられています。

Cの医療の基盤整備では、電子カルテ等医療分野の情報化の推進、そして、より有効でかつ副作用の少ない医薬品の提供体制の整備、医薬品、医療機器産業の国際競争力の強化、等が上げられています。

 このように、大変巾広いビジョン案となっていますが、党の厚生労働部会で、私は、ビジョンは大変よく描かれていると思う、問題はそれをどう具体化して行くかだ、ぜひ実現に向けての具体的な政策議論をしてほしいと発言しました。
 
 次に、健康増進法が5月1日から施行されました。この施行に際し、厚生労働省健康局長名で、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」が出されました。

 健康増進法の制定に先立ち、厚生労働省は、平成12年から「健康日本21」という国民健康を提唱し、推進していますが、「この基本方針は健康日本21の内容を踏まえつつ、健康づくりの理念を記述したものである」、としています。すなわち、これからの健康日本21は、基本方針に基づいて推進されるということです。

 さて基本方針は、次の7つの項目について記述しています。
1) 国民の健康の増進の推進の基本的な方向
2) 国民の健康の増進の目標に関する事項
3) 都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定に関する基本的な事項
4) 国民健康・栄養調査その他の健康増進に関する調査及び研究に関する事項
5) 健康増進事業実施者における連携及び協力に無官する基本的な事項
6) 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関
  する正しい知識の普及に関する事項
7) その他国民の健康の増進に関する重要事項

 基本方針では、国、地方公共団体が国民の健康増進のための計画の策定、情報提供、健康増進に関する調査、研究について記述していますが、特に、健康増進の推進体制の整備のため、民間のボランティア、企業、医療機関との連携の強化を図るとしています。この医療機関について、健康局長通知では、「病院、診療所、薬局及び訪問看護ステーション」と定義しています。

 健康増進法は、昨年の通常国会で、健康保険法の一部改正とセットで審議されました。健保法の一部改正は、医療保険財政が厳しさを増す中で、健保本人の患者負担の3割への引き上げ、保険料の総報酬制等、国民に負担をお願いするものでした。

 国民皆保険体制を堅持して行くために、保険財政の健全化、安定化は重要な課題ですが、同時に私は、健康な高齢社会づくり、長寿社会づくりが、医療費の適正化、国民皆保険体制を守るという観点からも大変重要であると考え、国会でも健康増進施策の推進を訴えさせて戴きました。

 勿論、健康に対する考え方や、喫煙、飲食等の生活習慣は国民個人個人問題であり、政治や行政が指図したり指導するという性格のものではありません。しかし、国民に健康管理の指標や生活習慣病の予防等、必要な情報を提供するための体制を整備し、健康な長寿社会づくりを進めることは、政治にとっても行政にとっても重要な課題であります。政治ビジョンとして、「健康新世紀」を掲げている私としましては、健康増進法の施行、政策に推進を支援して行きたいと考えています。

[haiku=”次の世を 考えている サクランボ  (青木千秋)”/haiku]       

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