藤井基之の国会レポート2004(その7)


 7月に入って一段と暑さが増したようです。台風は幾つかありましたが、結局は、梅雨らしい雨の日は少ないまま、7月12日、関東地方は梅雨明け宣言となりました。しかし、新潟県中越地方では集中豪雨で大きな被害が出てしまいました。被災地の皆様にお見舞い申し上げます。
 さて、平成13年7月も暑い夏でした。参議院選挙の年、灼熱の中での戦いでした。それから早くも3年が過ぎ、今年7月もまた参議院選挙。小泉内閣のイラク問題、年金改革を問う選挙といわれました。 日報でご報告したように、この選挙でも、応援に全国各地を回らせていただきました。その都度、各地で、大変ご配慮をいただきましたことを心から感謝申し上げます。3年前の自分の選挙でも感じたことですが、北海道から九州まで、日本は狭くない、本当に広い!!。
今回の選挙で、薬剤師である小西恵一郎君が立候補され、私も、同じ志を持ち、政治の場で共に戦うことのできる仲間が一人でも増えることを期待し、応援いたしましたが、残念ながら当選を果たすことはできませんでした。まだ若いのですから、捲土重来を期してほしいと思います。
 この選挙、結果として、我が自民党は改選議席の51議席を守ることができませんでした。最大の原因は、やはり、今国会での「年金改革法」にあったようです。
 選挙の結果については、国民の声として真摯に受け止めなければなりません。と同時に国民に対する年金改革の説明が、やはり十分尽くされたとはいえなかったか、と強く感じています。今回の国会審議では、政治家の保険料の未納問題が議論の大部分を占め、参議院選挙を控え、それが改革のための議論でなく党利党略のために利用されてしまったことが残念でなりません。  いづれにしても、年金改革については、自民、公明、民主三党合意に基づき、一元化を見据えた協議の場が設けられることとなっています。しかし、民主党は、公党間の約束を反故にし、協議の場を持つことに否定的だと伝えられています。民主党始め野党は、年金改革法の白紙撤回を求めるといっているようでです。ならば、協議の場に積極的に参加して、自分達の考え方を述べるべきではないでしょうか。
 年金改革は国家百年の大計です。国民皆保険を守るために、党派を超えた早急な議論が必要なはずです。それを拒否し、問題を引き伸ばすことは、まさに党利党略に年金問題を利用していると言わざるを得ません。白紙撤回して、ではどのような対案があるのでしょうか。その議論には一体どれほどの時間がかかるのでしょうか。その間に、なんの改革も行わなくても公的年金制度は大丈夫なのでしょうか。  国民皆年金を守るために、国民が安心して暮らすことのできる高齢社会を創るために、国民負担を引き上げ、一方、給付を下げるという、選挙対策だけから言えばマイナス要素となることが明らかな政策であっても、やるべき時はやらなければならない。今回の選挙で、私は、与党という責任政党の厳しさを、改めて認識しました。
 ところで今回の選挙では不振を託つこととなりましたが、自民党政権がなくなるわけではありません。首相がいわれるとおり、この国を創り、守るために、多くの政治課題に取り組んでいかなければなりません。
 私の任期も、いよいよ後半の3年に入りますが、厚生労働関係でも沢山の問題があります。
 まず、年金改革の後を受けての次の課題は、介護保険制度の見直しです。介護保険制度は平成12年度にスタートしましたが、新しい社会保険制度であることから、法律の施行後5年を目途として、政府は、必要な見直し等の措置を行うべきことが、次のように法律の附則第2条に明記されています。
介護保険法附則第二条
介護保険制度については、要介護者等に係る保健医療サービス及び福 祉サービスを提供する体制の状況、保険給付に要する費用の状況、国民負担の推移、社会経済の情勢等を勘案し、並びに障害者の福祉に係る施策、医療保険制度等との整合性及び市町村が行う介護保険事業の円滑な実施に配意し、被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲、保険給付の内容及び水準並びに保険料及び納付金(その納付に充てるため医療保険各法の規定により徴収する保険料(地方税法の規定により徴収する国民健康保険税を含む。)又は掛金を含む。)の負担の在り方を含め、この法律の施行後五年を目途としてその全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき、必要な見直し等の措置が講ぜられるべきものとする。
 介護保険の第1号被保険者(65才以上の被保険者)は平成12年4月の制度発足時2247万人でした。しかし、平成15年4月末には、2398万人に増えています。そして、要支援・介護認定者の数は、平成12年4月末、219万人でしたが、3年後の平成15年4月末では357万人、約140万人増加しています。急速に、介護サービス受給者が増え続け、下図のように介護給付額も急速にのびています。

(出典:介護保険事業状況報告)
 このような状況を踏まえ、施行後5年目の見直しが行われるわけですが、平成17年度に見直しを実施ということは、そのための法改正や予算編成等を、平成16年度中に行わなければなりません。このため、見直しの年を来年に控え、いよいよ介護保険見直し議論は本格化していくこととなります。
 次に、介護保険制度の後に控えているのは、医療保険制度改革です。平成14年の健保法改正で、こちらもまた同法附則において、次の3つの課題について、検討を進めることとされました。
  1) 保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系のあり方,
  2) 新しい高齢者医療制度の創設,
  3) 診療報酬体系の見直し
そして、附則では、これらについて、平成14年度内に、基本方針を策定することとされており、この規定にしたがって、昨年3月「医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針」が閣議決定されました。基本方針の重点事項としては、次のような項目が挙げられています。
 ?医療制度の一元化
 ? 保険者の再編統合
 ? 高齢者医療制度の創設
 ? 診療報酬体系の見直し
・医療機関のコストの適正な反映
・急性期入院医療の包括評価、慢性期入院医療の介護保険  との役割分担の明確化
・かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の 機能等を重視した見直し
 6月に発表された骨太の基本方針2004では、この「医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針」の具体化について、「実施可能なものから極力早期に実施する」ことが明記されました。そして、厚生労働省は、平成18年にも、医療保険改革関連法案を国会に提出する、としています。  介護保険の見直し、そして医療保険改革の課題である診療報酬体系の見直し(慢性期入院医療の介護保険との役割分担)と新高齢者医療制度の創設の3つの課題は、同一のテーマの問題と言ってもよいでしょう。議論の行方が注目されます。
 少子高齢化は否応なく進みます。年金問題では厳しい議論が続きましたが、引き続き行われる介護、医療改革でも厳しい議論が続くでしょう。その審議の中で、何故、自民党が今回の年金改革を推し進めたのか、それは国民が安心して暮らすことのできる社会保障制度を作り上げるためであるという、その真意を理解していただけるのではないか、と思っています。
 今月30日頃には、臨時国会が召集されそうです。それが終われば、しばしの夏休みが取れそうです。今年の夏は、特に暑そうです。元気に夏を乗り切りましょう。

  今回は、厳しかった参議院選挙に思いを馳せて、有名な芭蕉のこの句。

[haiku=”夏草や 兵どもが 夢の跡 (芭蕉)”/haiku]

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