藤井基之の国会レポート2005(その2)


 立春が過ぎて、関東地方の太平洋側は少しずつ寒さが緩んできたような気配がします。梅の花も開きつつあります。しかし、新潟県小千谷市始め、日本海側や北日本は大雪で大変なようです。
  サッカーのワールドカップアジア予選の日本対北朝鮮戦は、大変よい試合でした。北朝鮮の選手も頑張りましたが、日本の緒戦突破、よかったですね。

 さて、通常国会は、平成16年度補正予算案を衆参両院とも全会一致で承認、現在は平成17年度予算案の審議に入っています。北朝鮮拉致問題、日歯問題等をからめつつ、一進一退の審議が続いています。
  この国会では、厚生労働省関係の主な法案は次の通りです。

? 介護保険法等の一部を改正する法律案
? 障害者自立支援法案
? 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案
? 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案
? 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案
? 社会保険労務士法の一部を改正する法律案
  平成12年の介護保険制度発足後5年目にあたる今年は、介護保険法附則2条に定められた制度見直しの年に当ります。今改正案の柱は、下記のように「介護予防重視型」となっています。主な内容は次の通りです。

(1)予防重視型システムへの転換

1) 新予防給付の創設
  要介護状態等の軽減、悪化防止に効果的な、軽度者を対象とする新たな予防給付を創設する。
  具体的には、要支援と要介護度1の軽度者を、新たに要支援1、要支援2、要介護度1と区分し、介護予防を重点とした給付を行なうというものです。
  そのために、現行の要介護度の認定調査項目に加え、「高齢者の生活機能の状態、改善可能性」を調査し、評価することとし、要支援1及び2については、予防給付を行なうこととされています。
  そして、生活機能の維持・向上という観点からサービスの内容を見直し、訪問介護、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具の貸与、訪問看護、ショートステイ、グループホームの充実を図る、こととしています。また、単に生活機能を低下させるような家事代行型の訪問介護はその必要性、提供の方法等を見直す、こととしています。
  この軽度者の問題は、介護がかえって要介護度を高めてしまうという指摘があり、私も国会質問で取り上げたことがあります。また、制度発足当初85万人程度であった軽度者が200万人にも急増しています。
  こうした状況が、介護給付費増加の大きなウェイトを占めており、軽度者の介護サービスの目的である要介護予防に重点をおくことにとしたものです。
2)地域支援事業の創設
  要支援・要介護状態になる前からの介護予防を推進するために、市町村が実施する地域支援事業をすることとされています。
  その一環として介護予防事業の推進、介護予防サービスのマネジメント、地域ケア支援事業(ケアマネージャーのネットワーク作り、困難な事例に対するケアマネージャーへの助言等)を実施することとさしています。そのために、「地域包括支援センター」を創設することになっています。
(2)施設給付の見直し
居住費用・食費の見直し
  いわゆる介護保険3施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)の居住費、食費、通所系サービスの食費を、保険給付の対象外とすることとされています。ただし、低所得者に配慮することとされています。
(3)新たなサービス体系の確立

1)介護保険法の目的規定の見直し
  第1条目的規定に、介護を受ける高齢者の「尊厳の保持」を明確に規定しています。
  つい先日、グループホームで、86歳のお年寄りが職員の暴力で死亡するという事件が起こってしまいました。
2)「痴呆」の呼称の変更
「痴呆症」が「認知症」と変更されます。
3)地域密着型サービスの創設
  住み慣れた地域での生活を支えるための地域密着型サービス(認知症高齢者のグループホーム、同専用デイサービス、夜間対応型訪問介護等)の創設等、が盛り込まれています 
その他、次のような事項が取り上げられています。
(4)サービスの質の確保・向上

1)情報開示の標準化
2)事業者規制の見直し
3)ケアマネジメントの見直し
  ケアマネージャーの更新制(5年間)の導入、更新時の研修の義務化、主任ケアマネージャーの創設、担当件数の見直し、軽度者の地域包括支援センターによる一元的なマネジメント等が盛り込まれています。
(5)負担のあり方・制度運営の見直し

1)第1号保険料の見直し
2)市町村の保険者機能の強化
3)要介護認定の見直し
 介護給付費は、制度を現在のままとした場合、平成15年の5.5兆円から、平成18年度には7,2兆円に、平成24年度以降は10.2兆円と推計されています。介護予防は、健康な長寿社会の構築のため、また介護給付の適正化のためにも大変重要な課題です。
  また、今後の、介護保険の課題として、障害者介護への適用拡大、40歳以下への被保険者の拡大などの問題があります。これらの問題は、今回の見直し後に検討が行なわれることとなるでしょう。
 
  次に、障害者関係の法案が二つあります。
  一つは障害者自立支援法案です。この法案は、現在、障害者関係の、公費で制度ごとに行なわれている福祉サービスについて、各制度の障害者の自立支援を目的とする共通のサービスについての一元化を図るためのものです。
これにより、施設等の限られた社会資源の効率的な利用、増大する福祉サービス等の費用を皆で支えあう仕組みを強化する、サービスの量や所得に応じた公平な負担を目指す、こととしています。障害者自立支援法案の一元化の対象制度は、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法による各障害者福祉制度です。
  他の一つは障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案です。主な改正内容は、?精神障害者に対する雇用対策の強化、在宅就業者に対する支援、?障害者福祉政策との連携強化、となっています。

 2月10日、改正薬事法に基づいて、処方せん医薬品の指定が告示されました。注射薬、麻薬製剤等を新たに処方せん医薬品に指定したことから、指定範囲が拡大しています。この指定に当っては、薬事・食品衛生審議会の了承を得て、指定基準を定め、厚生労働省が個別に指定したということです。
  改正薬事法は、この4月から全面実施されますが、薬業関係の皆様もその準備に大わらわだとお聞きしています。今回の改正は、医薬品や医療機器の製造販売後の安全対策の強化が中心となっており、医薬品の安全、適正使用を確保するために、皆様のご努力に期待いたします。

 追伸 この度、医薬経済社から、「亡国のドラッグ」という本を出版しました。
この本は、今日の若者に広がる薬物乱用問題の深刻さを取り上げ、また、過去の薬物乱用との戦いの歴史、世界の状況等を取り上げています。薬物乱用事犯の推移等の統計資料も出来るだけ掲載し、資料としても使えるようにいたしました。一般書店で販売しておりますので、関心のある方はご一読いただければ幸です。  

[haiku=”寒椿 いつも見えゐて いつも見ず (神蔵器)”/haiku]

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