藤井基之の国会レポート2005(その3)  


東京では、3月に入って大雪が降りましたが、寒暖を繰り返しながら、めっきり春めきつつあります。梅はもうそろそろ終わり、杏や桃の季節へ、そして桜の4月を向かえることになります。
  国会は、平成17年度予算案は、既に衆議院を通過、現在、参議院での審議が続いています。この国会の最大の焦点は、郵政民営化ですが、党内外での議論が続いています。私が政務官を務める厚生労働省案件は,前回本ページでご紹介した以下のような法案が上程されています。

? 介護保険法等の一部を改正する法律案
? 障害者自立支援法案
? 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案
? 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案
? 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案
? 社会保険労務士法の一部を改正する法律案
 さて、平成16年度も今月で終わり、新年度にはいりますが、この4月から、医薬や医療関係者にとって重要な法律が施行されます。
  第一に、改正薬事法の施行です。
  平成14年の通常国会で薬事法改正が可決・承認され、同年7月31日公布され、その公布から3年以内に実施(一部は平成15年に既に実施)することとなっていましたが、いよいよこの4月、全面実施の運びとなりました。
  今回の薬事法改正については、私も、党の薬事行政に関する検討小委員会の事務局長として骨子作りに係わりましたが、大改正と呼ぶのにふさわしい改正となっています。主な改正点を整理してみますと、次の通りです。

(主な薬事法改正点)

? 承認許可制度の改革・合理化

1 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の製造、輸入に着目した製造、輸入販売許可、製造承認制度から、「元売行為」に着目した「製造販売」の許可、承認制度に変った。
・製造販売業者が、製造を全面外部委託ができることとなった。
・経営の合理化等がし易くなった。
・外国の許認可制度との整合がとられた。
・「製造販売」には、「輸入した医薬品の製造販売」も含み、これまでの輸入販売業は、製造販売業に含まれることとされた。
2 製造販売業許可業態が種別化された。
 第1種医薬品製造販売業   (処方せん薬の製造販売) 
 第2種医薬品製造販売業   (それ以外の医薬品の製造販売)
 化粧品製造販売業
 医薬部外品製造販売業
 第1種医療機器製造販売業  (高度管理医療機器の製造販売))
 第2種医療機器製造販売業  (管理医療機器の製造販売)
 第3種医療機器製造販売業  (一般医療機器の製造販売)
3 日本と同水準の承認審査制度を持つ国で既に承認されている優れた医薬品で、日本国内では類薬がなく緊急に必要とされるものについて、特例的に承認することができることとされた。
4 治験に、「医師主導の臨床試験」も含むこととされた。

? 製造販売後安全対策の強化
1 品質管理、製造販売後の安全管理の責任は製造販売業者が主体的に負うこととなり、GVP、GQPという新たな基準が設けられ、開発から市販後までの基準が整備された。
GLP   医薬品の非臨床試験の実施に関する基準
GCP   医薬品の臨床試験の実施に関する基準
GMP   医薬品の製造管理及び品質管理規則
GQP   医薬品の品質管理の基準
GVP   医薬品の製造販売後安全管理の基準
GPSP  医薬品の製造販売後の調査及び試験の基準
2 これまでのGPMSPが、GVP(Good Vigilance Practice)とGPSP(Good Post-Marketing Study Practice)に分離され、GVPは、副作用等の安全対策の基準、GPSPは、再審査、再評価のための資料収集の適正化の基準とされた。
3 GVP、GQPに則り、製造管理・品質管理、製造販売後安全管理を統括して行なう総括製造販売責任者の配置義務が設けられた。

? 医療機器の製造販売・販売制度の改革、安全対策の強化

1 医療用具の呼称が、「医療機器」と変更されるとともに、医療機器のリスクに応じた区分が行われ、その区分に応じた規制が行われることとなった。
・ 高度管理医療機器
・ 管理医療機器
・ 一般医療機器
2 医療機器の賃貸業、修理業が許可制とされた。
3 高度管理医療機器の販売業が許可制とされた。
4 植込み型医療機器など、販売後の安全管理の必要なものについて、「特定医療機器」と区分し、市販後のフォローが出来るよう記録義務等が課された。
5 医療機器、体外診断用医薬品の第三者認証制度が導入され、厚生労働省に登録した「登録認証機関」が「認証」する制度が新設された。

? 生物由来製品の安全対策強化

1 生物由来の医薬品、医療機器について、「生物由来製品」として、市販後の記録義務などフォローができるようにする等、安全確保規制が強化された。

? 医薬品販売規制の改革

1 要指示薬制度が廃止され、処方せん医薬品制度が新たに設けられた。

 以上のような改正のポイントをまとめてみれば、

(1) 元売行為に着目した製造販売業制度が導入されたことで、製造の他への全面委託など、企業経営の合理化、効率化がし易くなったこと
(2)

製造販売業者のライセンスホルダーとしての有効性、安全性に関する責任が明確化されたこと
(3) 医薬品、医療機器等の開発から製造販売後の安全管理まで、基準化が図られ、安全対策が強化されたこと
 などに集約できるでしょう。いずれにしても、これまでの薬事法知識の多くが役に立たなくなってしまいそうな大きな改正であり、薬業界の皆様はその準備に大忙しであろうと推察いたします。

 さて、次に、医療関係者にとっては特に重要な法律である個人情報保護法もやはり4月1日から施行されます。         
  個人情報保護法は、個人情報がビジネス化される時代、個人のプライバシーを保護するための法律で、その対象はIT業界だけでなく金融や流通全ての個人情報を業務上取り扱うものであり、医療分野も例外ではありません。
  同法では、個人情報を業務上取り扱う事業者を「個人情報取扱事業者」としていますが、ただし、「その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて、個人の利益権利を害する恐れが少ないもの」とされており、1日当り個人情報の数が5000件を越えないものは個人情報取扱事業者から除外するとされています。
  したがって、一般の薬局や診療所は事業者からは除外されるでしょうが、医療機関や薬局は、患者の疾患情報という極めて重要な情報を持っています。このため、個人情報保護法の施行に伴い、厚生労働省は、昨年末、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」を作成し、小規模医療機関、薬局であっても、ガイドラインによる規定を遵守するよう求めています。ガイドラインでは、個人情報の取扱いについて、次のようなことを求めています。

?
保有する個人情報の利用目的を正規の目的に特定すること
?
その個人情報をどのような目的に利用するかを、院内、薬局内に掲示すること
?
個人情報を取得する(服薬指導のために必要な情報を患者から聴取する)際、その利用目的について本人に通知し、または、利用目的を公表すること
?
個人情報の漏洩、滅失、き損などを防止し、安全管理措置を講ずること
?
個人情報を、本人の同意なく第三者に提供してはならないこと
 医師や薬剤師は、従前から,刑法により守秘義務が課されており、患者情報の保護は当然の義務となっています。しかし、IT時代の今日の情報漏出による被害は、書面による情報管理の時代とは比較にならない程大きいでしょう。患者の信頼を確保し、正確な服薬情報を得るためにも、改めて患者情報の管理のあり方が今のままでよいか、確認してみることも大切だと思います。

[haiku=”げんげ田や 花咲く前の 深みどり (五十崎古郷)”/haiku]

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