藤井基之の国会レポート2006(その10)


  秋も深まり、各地の紅葉のニュースが入り始めています。

ニュースと言えば、北朝鮮が核実験を行ったという大変なニュースが飛びこんで来ました。まだ、最終確認はできていないようですが、北朝鮮の核は日本への大きな脅威であるのに留まらず、他国への核拡散を意味する世界的な問題です。9月26日、第165回臨時国会召集。12月15日まで81日間の会期です。安部新内閣が発足しましたが、いきなり“北の核”という難題を抱えての船出となりました。小泉前内閣は平成13年に発足し、5年間の長期政権でしたが、私が参議院に立候補し、初当選したのが同じ平成13年。つまり、これまでの私の議員生活の5年間は、小泉内閣の下での5年間であったわけです。マスコミの世論調査によれば、安部新内閣の支持率は、いずれの新聞、テレビでも、70%超という高支持率。国民の期待の大きさを感じます。

この臨時国会では、私は、引き続き厚生労働委員会委員の指名を受けるとともに、決算委員会及び北朝鮮による拉致問題特別委員会委員に指名されました。拉致特では理事の指名を受けました。また、党の役職としては、以下のような役割を命じられています。

・参議院政策審議会北朝鮮拉致問題等特別委員会委員長
・社会保障制度調査会副会長
・厚生労働部会副部会長
・文部科学部会副部会長

(国民医療費と新高齢者医療制度)

平成16年度国民医療費は、32兆1111億円、前年平成15年度の31兆5275億円に対し1.8%の増加となっています。全人口で割り返してみますと、国民一人当たり25万1500円(前年は24万7100円)の医療費を使っている、という計算となります。

平成16年は医療費改定の年に当たりましたが、0%改定でした。したがって、医療費引き上げという要因はなかったのですが、医療費は5836億円増加しました。年齢別に国民医療費を見てみますと、65歳以上国民医療費は平成15年度は15兆8823億円に対し、平成16年度は16兆4097億円で5274億円の増加となっています。その一方、一般医療費は約460億円の増加に過ぎません。

さらに詳しくみますと、70歳以上医療費は平成15年度12兆4158億円、平成16年度は13兆414億円で6256億円の増加となっています。また、75歳以上だけでみれば、平成15年度が8兆5371億円、平成16年度は9兆214億円で、4843億円の増加と、自然増の大部分は、75歳以上高齢者の医療費の増加によるものです。興味深いのは、65歳?70歳未満の医療費が3兆4665億円から3兆3683億円に、1000億円近くも減っていることです。その原因は現時点ではわかりませんが、いずれにしても、人口の高齢化によって医療費が増加しつつあることが良く分かります。

このような高齢化による医療費の増加という状況を踏まえて、平成20年4月から、新しい高齢者医療制度が実施されるわけですが、10月5日、平成20年4月から実施予定の新しい高齢者医療制度の診療報酬体系の仕組みを検討するため、社会保障審議会に「後期高齢者医療のあり方に関する特別部会」が設置され、検討が開始されました。部会は来年4月頃までに基本方針をまとめ、その後、具体的な診療報酬、調剤報酬体系の内容の検討に入ってゆくものと思われます。

(社会医療診療行為別調査)
平成17年の社会医療診療行為別調査結果の概況が公表されました。社会医療診療行為別調査(以下、社会医療調査という)は、厚生労働省が、毎年、特定1ヶ月間の政府管掌健康保険、組合管掌健康保険及び国民健康保険の診療報酬・調剤報酬明細書(レセプト)を、一定の割合で抽出して、診療行為・調剤行為などの動向を詳細に分析しているものです。特に、この調査結果は保険医療の動向を分析すると同時に、医療費改定の前年の社会医療調査結果は、医療費の改定を行う際の基礎資料となるもので大変重要な調査です。医薬分業が進展してきたことから、保険薬局についての社会医療調査も、平成13年から追加されました。

平成17年調査は6月の支払い基金、国保連合会の審査分レセプトが調査対象となっています。内容をみますと、薬剤費についていろいろな角度から分析が行われています。いくつか興味深い結果を拾ってみましょう。

まず、医療費に占める薬剤比率は、医科診療報酬では、平成17年調査では22.1%となっています。最近5年間をみますと、平成13年22.5%、14年21.6%、15年22.2%、16年21.6%、そして17年22.1%と、ほぼ一定した比率となっています。

また、医科診療報酬の老人医療と一般医療の薬剤費の点数階級別に比べてみますと、一般医療では、薬剤費500点未満のレセプトが73.9%を占めているのに対し、老人医療では51.4%となっています。別の言い方をしますと、500点以上の高い薬剤費のレセプトの占める比率は老人医療では48.6%、一般医療では、26.3%と、老人医療においては薬剤費が高くなる傾向が明瞭に出ています。

処方された薬剤の種類数についての分析を見ますと、5種類以上の医薬品が処方されているレセプトの比率は、老人医療では37.4%、一般医療では21.9%となっており、老人医療では3分の1が5剤以上の多剤が使用されているわけです。高齢化が今後もさらに進むわけですから、高齢者に対する医薬品の適正使用、安全確保がますます重要な課題となります。

医薬分業の進展状況については、日本薬剤師会でも調査を行っていますが、社会医療調査でも、院外処方せんの発行率について解析しています。ただし、日薬の場合、発行された処方せんの全数調査ですが、社会医療調査は、特定1ヶ月のレセプトの抽出調査の結果であり、あくまで参考値ですが、過去5年間の同調査による院外処方箋は効率をみてみると、次のような結果となっています。

社会医療調査による院外処方せんの発行率の推移(%)

社会医療調査による院外処方せんの発行率の推移(%)
全体 病院 診療所
平成13年 41.5 45.7 39.7
平成14年 46.0 53.7 42.3
平成15年 48.9 57.0 45.4
平成16年 51.7 62.5 47.4
平成17年 52.8 61.1 49.5

また、後発医薬品が処方されているレセプトの比率は、一般医療では47.8%、老人医療では53.6%、全体では46.0%となっていますが、いずれも平成16年調査より低下しています。本年4月の診療報酬改定では、院外処方せんに、後発品への処方変更の可否について処方医が記載する欄がもうけられるなど、後発品使用の促進策が講じられていますが、今後の動向が注目されます。

竹に花 胸よぎりゆくものの量 (小宮山 遠)

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