藤井基之の国会レポート2006(その11)


  11月も中旬。国会の合間を見ながらできるだけ各地の遊説を続けていますが、今まさに紅葉真っ盛り。気候もよく、体調は十分です。

国会も中盤。教育基本法改正案の審議がこの国会の中心議題ですが、同法案も衆議院を通過し、ただ今参議院で審議中。一方で、学校におけるイジメが深刻な社会問題となっています。学校や行政だけにその原因を求めるのではなく、家族、社会も含め、それぞれが子供たちの教育について、どのような役割を担い責任を持つべきか、議論することが必要と思います。

(後期高齢者医療のあり方に関する特別部会)

先月の本ページでもご紹介しましたが、社会保障審議会に「後期高齢者医療のあり方に関する特別部会」が設置されました。この特別部会を設置した目的について、厚生労働省では次のように説明しています。

「健康保険法等の一部を改正する法律( 平成18年法律第83号 )により、75歳以上の後期高齢者については、平成20年4月より独立した医療制度を創設することとされている。
後期高齢者医療制度の創設に当たり、後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるような新たな診療報酬体系を構築することを目的として、後期高齢者医療の在り方について審議いただくため、社会保障審議会に専門の部会を設置する。」

先の通常国会で、医療制度改革の一環として、健康保険法、老人保健法等の改正により、75歳以上を対象とした独立した新しい後期高齢者医療制度を創設し、平成20年4月から実施されることとなりました。その際、参議院厚生労働委員会で、「後期高齢者医療の新たな診療報酬体系については、必要かつ適切な医療の確保を前提とし、その上でその心身の特性等にふさわしい診療報酬とするため、基本的な考え方を平成18年度中を目途に取りまとめ、国民的な議論に供した上、策定すること」と決議されていました。特別部会はこの決議に基づいて設置されたわけです。

特別部会は、既に10月5日、及び25日の2回開催されましたが、5日の第1回会合の冒頭で、厚労省は次のように述べています。

「 新しい診療報酬体系を考えるにしても、やはり“あるべき高齢者医療とは何か”というところから出発し、それに即して物事を考えていく必要がある。そこで、診療報酬を検討する場としては、社会保障審議会の医療保険部会とか、中央社会保険医療協議会があるが、あえてそれとは違うこの特別部会という検討の場を設けた。一部報道で、定額制をする検討に入ったと報道がなされているが、内容の議論はまさしくこれからの議論であり、思いきった御提案をいただきたい。」

厚生労働省は、後期高齢者の心身の特性等にふさわしい診療報酬体系を策定するという観点から、平成17年10月に策定した「医療制度構造改革試案」の中で、次のような課題を挙げています

?ターミナルケアの在り方(終末期医療の評価)
?在宅における日常的な医学管理から看取りまでの一貫した対応が可能な主治医の普及
?医師等の連携による医療・介護サービスの提供
?入院による包括的なホスピスケアの普及
特に、現行診療報酬体系の原則である「出来高払い制」に対し、後期高齢者医療制度では「包括払い制」を基本とすべきとの指摘が少なくないようです。今後の審議の重要な争点となりそうです。

(医療提供施設の情報提供)
さて、健康保険法等の改正と併行して、第5次の医療法改正が行われましたが 同改正により、医療提供施設に次のような、情報の提供の義務が課されました。

(改正医療法)

医療提供施設は、当該医療提供施設の提供する医療について、正確かつ適切な情報を提供するとともに、患者又はその家族からの相談に適切に応ずるよう務めなければならない。

改正医療法では、?医療提供施設から報告された事項について都道府県が公開する、?医療提供施設自身が文書で掲示する、ことを規定しており、検討会は、医療提供施設はどのような情報を患者や家族に提供すべきか検討を進めています。

このため厚生労働省は、「医療情報の提供のあり方に関する検討会」を設けて、検討を始めています。

この医療法の改正では、薬局も医療提供施設として位置づけされていますが、この医療法の情報提供の規定を受けて、薬事法にも次のような規定が設けられました。

(改正薬事法)

薬局開設者は、医療を受ける者が薬局の選択を適切に行なうために必要な情報として厚生労働省令で定める事項を当該薬局の都道府県に報告するとともに、当該事項を記載した書面を当該薬局において閲覧に供しなければならない。

検討会では、薬局の公開すべき情報についても審議しており、情報公開の対象事項として、次のような薬局の機能に関する事項が、案として挙げられています。

?薬局の基本情報( 名称、開設者、管理者、所在地、開局時間等 )
?薬局のアクセス( 交通の手段、HPアドレス、メールアドレス、電話番号等)
?薬局サービス・アメニティ( 相談対応、障害者に対する対応、医療保険等の取扱等)
?提供サービス(認定薬剤師、専門薬剤師、調剤業務の内容等) 実績等(人員配置、医療安全対策、患者数等)

検討会は、平成19年4月の改正医療法等の実施に向けて審議を進めています。

(有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会)
厚生労働省が、「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」という委員会を設置しました。この検討会の目的は、「有効で安全な医薬品を迅速に提供するため、医薬品の承認審査のあり方や実施体制、安全対策等に係る事項等について幅広く検討すること」とされています。

新薬の承認審査は、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構で行われていますが、以前から、外国と比べて審査に時間がかかり過ぎるという指摘がありました。民間の調査機関の調査によりますと、米国のFDA(医薬品食品局)における平均の審査期間は12.9ヶ月であるのに対し、日本では21.9ヶ月と、9ヶ月の差があるとされています。また、外国で優れた新薬が承認され、市販されても、日本で承認され、発売されるまでには時間がかかり、患者は、がんや難病などの薬剤を使えるようになるためには長い期間待たなければならない、などの不満の声もありました。このため、治験薬を特定療養費の対象(混合診療の対象)とする、などの措置も採られています。このような状況から、製薬関係団体からも、政府に対し、審査の迅速化のため審査体制(人員等)の拡充等の要望がなされていました。

このような指摘を受けて、厚生労働省が、今回の検討会の設置を決めたわけです。

検討会では、検討事項として次のような事項を挙げています。

政府は、科学技術立国を政府の最大の基本政策とし、中でもライフサイエンスの振興を国家戦略に位置づけています。今回の検討会の設置は、この医薬品の承認審査の迅速化は、その一環ということもできるでしょう。

今年もあと1ヶ月余り。朝夕、寒さを感じるようになりましたが、元気でまいりましょう。

[haiku=”何を求める 風の中ゆく (山頭火)”/haiku]

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