藤井基之の国会レポート2006(その3)


 すっかり春めいてきました。東京の開花は例年より1週間近く早く、3月25日頃と予想されています。冬の寒さが厳しかった分、余計に春の訪れが嬉しく感じられます。
 トリノのパラリンピックでは日本選手が活躍しています。バイアスロン女子12.5km視覚障害で小林深雪選手、大回転で大日方邦子選手が金メダルを獲得したのを始め、計9つのメダルを獲得しました。

 さて、国会は、ライブドアの偽造メールなどの問題もありましたが、粛々と審議が進んでいます。参議院では予算委員会が中盤を迎え、年度内成立を目指して審議が続いています。この国会から、私は国対副委員長に加え、予算委員会理事を命じられ、忙しさは倍加しています。
そんな中、3月7日(火)の予算委員会で、私も国会質問の出番が回ってきました。一昨年秋の臨時国会から1年余り厚生労働大臣政務官を務めていたため、国会質問の場に立つことはできませんでした(答弁側でした)から、久しぶりの質問です。
この日、自民党からは片山参院幹事長以下4人の議員が質問に立つこととなり、私は3番目の出番でした。質問テーマは、?医療制度改革、?科学技術振興政策、?安心・安全社会の構築の3点としました。
 まず、医療制度改革。この通常国会に健康保険法の改正案、医療法の改正案等が提出されていますが、医療制度改革の目的は、持続性のある国民皆保険体制の構築。そのために新しい高齢者医療制度をつくり、また、医療費の適正化を進めることが目的です。
その医療費適正化の一環として、4月の医療費改定では3.16%引き下げが行われることとなっています。国民皆保険を堅持して行くために、医療費の適正化を進めることは重要なことです。医療の無駄が排除され、患者の負担も軽減されるのであれば何よりのことです。しかし、医療費を抑制することによって、医療の質や内容が下がってしまったのでは、元も子もありません。
 そこで、医療費適正化策を進めて行くとしても、医療の質や内容を確保して行くことが医療制度改革の基本理念として大切ではないか、と小泉総理に質問しました。また、日本の国民医療費がGDPに占める比率は7.8%で、OECDの報告では、世界で17番目とされているが、経済財政諮問会議で議論となった「身の丈に合った社会保障」とは何かと谷垣財務大臣に質問。そして、「医療費キャップ制」について与謝野経済財政・金融担当大臣に見解を質しました。
小泉総理からは、わが国の医療制度は、世界で最も高水準にあると評価されている、その制度を持続可能なものとするためには負担と給付の問題をどうしても考えなければならない、いろいろな問題を検討し、改革に取り組んで行く、というお答えがありました。
 また、診療報酬・調剤報酬や薬価のマイナス改定にあって、医療の質を守るという観点からどのような配慮をされているか、さらに、医療において今最大の課題は医療安全対策であるが、薬剤に係る事故やヒヤリハット事例の発生が依然として多い。病院薬剤師の配置標準については平成10年に改正され、その後再検討するといいながらそのままとなっている、改善を急ぐべきではないか、と川崎厚生労働大臣に質問しました。
 医療費改定については、小児科、産科、救急医療、在宅医療、IT化等の評価に配慮したこと、また、薬価については、画期的、有用性加算等の配慮をしている等の説明がありました。
 病院薬剤師の配置標準については、これまでの経緯、医療安全の確保の観点から、本年中に検討会を立ち上げ、しっかりと議論してまいりたいと、回答がありました。
 次に、科学技術の振興について、政府は「科学技術創造立国」を21世紀の最重要戦略に掲げているが、平成18年度予算案をみますと科学技術関係の総予算は3兆4700億円で対前年マイナス。また、官民合わせたわが国の科学技術研究費は、平成15年で総額16兆8042億円、国の支出はその2割となっていること。一方諸外国をみると、アメリカでは31%、フランスは40%を越えるなど、先進国中ではわが国が最も低いこと等を指摘し、科学技術創造立国を戦略とするなら、もっと国の財政支援を強化すべきと指摘しました。
 これに対し、松田科学技術担当国務大臣から、緊縮予算の中で、なんとか前年並みの予算を確保したこと、科学技術振興費は1.1%増としたこと、科学技術研究基本計画の第三期では今後5年間に25兆円という目標を立てた、などの回答がありました。
 また、医療費抑制策の中で、近年、わが国の医薬品マーケットは伸びていない。このため日本の製薬企業は国内で開発した新薬を、まず日本より海外市場で販売し利益を確保するところが出てきている。日本での新薬の開発がやりにくいのは、治験がやりにくいということだけではない。審査の問題、大学教育の問題等いろいろある、21世紀の日本にふさわしい高付加価値産業である製薬産業の研究開発力、国際競争力の充実支援を図って行くべきではないか、と質しました。
 川崎大臣からは、審査期間の改善、治験体制の整備等取り組んできたが、わが国の研究開発費が海外大手に比べて小さいなどの問題もある、医薬品産業の育成に努力して行きたいと回答がありました。
 次に、安全安心社会の構築に関しては、鳥インフルエンザ問題、健康食品問題を取り上げました。
鳥インフルエンザ対策については、厚生労働大臣政務官時代に「鳥インフルエンザ対策本部」の立ち上げの仕事をさせていただきましたが、今回は特に、抗インフルエンザ薬の備蓄について質問しました。
 厚労省は、平成18年度から抗インフルエンザ薬タミフルを2500万人分(国1050万人分、都道府県1050万人分、残りを民間)備蓄する計画を立てていますので、その計画の進行状況、製薬企業の生産、供給能力、また、東大薬学系大学院で開発されているタミフルの化学合成法に関連して、こうした研究に対する国の支援等についての厚労省の見解等について質問しました。
 厚労大臣からは、平成18年度、19年度で備蓄計画を完了すること、 鳥インフルエンザ、新型インフルエンザに係る治療法、診断方法等の研究には国としても支援してゆかねばならないこと、タミフルの新しい合成法については大学とメーカーが協議していると聞いている等の説明がありました。
健康食品問題では、最近は、いわゆる健康食品ブームです。民間調査では、健康食品市場は、1兆5000億円、それに特定保健用食品が6000億円、計2兆円の市場となっているそうです。予算委員会では、それらのいくつかの現物を示しながら、人々が健康増進効果を期待して使用しているそうした食品の質、広告、安全性等について、そろそろきちんとした制度設計を検討する必要があるではないか、また、現在、いくつかの特定保健用食品や健康食品の安全性について食品安全委員会に諮問されていると聞くが、どのような状況か、質問しました。
 内閣府からは、アガリクス、大豆イソフラボン製品等について検討中であるとの説明がありました。川崎大臣からは、安全性についてはきちんと評価して行きたい、誇大な広告については厳正に対処してゆく、また、こうした食品を使用するときは薬局や医療機関によく相談してほしい、という答えがありました。
 質問の後、TVを見た国民の皆様から電話やメールでいくつもご意見をいただきました。国会議員にとっては国会質問は自分の政策を主張し、アピールできる最も重要な場であることを改めて実感。もっと機会が与えられることを期待しています。

 医薬品販売制度改革、違法ドラッグ規制強化のための薬事法改正案は3月7日に閣議決定され、法案が国会に提出されました。

[haiku=”ふるさとに 母ありて春 深きかな  (倉田紘文)”/haiku]

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