藤井基之の国会レポート2007(その3)


3月に入って暖かな日が続いていましたが、3月も中旬になって、北日本、北陸などでは、時ならぬ大雪。暖冬で、真冬でも雪国の雪がないという状況でしたが、やはり、異常ともいえる気象が続いているようです。太平洋側でも、桜の開花が大変早いと予想されていましたが、ここに来て、予想よりは1週間程度遅くなりそうです(それでも例年より早いようですが。)。

国会は、平成19年度予算案が3月2日に衆議院を通過。現在、参議院での審議中ですが、事務所経費の扱いなどを巡っての議論が続いています。

(イノベーション25)
2月26日、政府のイノベーション戦略会議が、「イノベーション25中間とりまとめ」を公表しました。イノベーションとは、「旧来のモノや仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会に大きな変化をもたらすこと」だと中間とりまとめは説明しています。 イノベーション25は、日本社会活性化政策の柱としてまとめつつある2025年までを視野に入れた安倍内閣の長期戦略指針であり、安倍内閣が発足した昨年9月、安倍総理が来年(平成19年)5?6月までにまとめてほしいと指示され、検討が開始されました。昨年の臨時国会の参議院決算委員会で、私が医薬品産業政策等について総理に質問した際にも、総理のお答えの中で触れておられました。
総理は、「日本社会に新たな活力をもたらし、成長に貢献するイノベーションの創造に向け、医薬、工学、情報工学などの分野ごとに、2025年までを視野に入れた戦略を策定する」と、施政方針演説等で繰り返し述べられています。
今回の中間とりまとめは、学会、産業界などの有識者によってまとめられたもので、これを基に、今後総合科学会議等において、政策実現に向けてのロードマップを策定することとされています。
中間とりまとめでは、?日本、世界のこれからの20年、?何故今イノベーションか、?イノベーションで拓く2025年の日本、?イノベーション推進の基本戦略、早急に取り組むべき政策課題、等の項目にしたがって政策提言を行っています。中間とりまとめでは、20のイノベーションの実例を挙げていますが、そのうちの一つ例を挙げてみましょう。

「高齢者でも丈夫な身体、認知症も激減
骨、軟骨、皮膚、歯等の再生医療技術、自家組織の増殖・移植技術が普及し、高齢になっても50歳と同様の身体機能を保つことが可能となる。また、高度な介護ロボット、認知症に対する特効薬などが開発され、それらが普及することにより、家族や介護者に大きな負担をかけずに、ほぼ健常者と変わらないような社会性価値が可能となる。」

政府は、「科学技術創造立国」を日本活性化の中心施策として掲げていますが、具体的政策として、「イノベーション25」を打ち出したものです。このような夢のあるイノベーションが実現するような政策に、私も、ぜひ取り組んでゆきたいものです。
(後期高齢者医療制度)
先月もご紹介した通り、医療制度改革の最重要の柱である、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度について、厚労省の社会保険審議会で審議が進んでおり、自民党の社会保障制度調査会医療委員会でも、社会保障審議会の審議状況を踏まえつつ、議論を続けています。
3月9日の党の会議では、厚生労働省からこれまでの社会保障審議会の特別部会での指摘事項をまとめた資料が配布されました。特別部会の主な指摘事項を挙げてみましょう。

? 後期高齢者医療は、治す医療ではなく、死を迎える生活をいかに充実させることができるかという点で、支える医療の観点が重要である。
? 高齢者といっても、個人差が非常に大きく、高齢でも活躍している人も大勢いる現代では、後期高齢者は終末期医療だけではないことを前提にした医療のあり方を考える必要がある。
? 認知症患者に対しては、従来の精神科医療の枠組みではなく、早期からの地域でのケアによる対応も考えられる。
? 入院に至るまでの医療連携だけでなく、要介護認定の実務も踏まえた連携など、退院後の生活を念頭に置いた医療連携が必要である。
? 回復の可能性を見越した高齢者の医療評価が必要である。
? かかりつけ医による在宅訪問診療及び医療連携について、好事例をわが国の全体に広げていくための方策を考えていく必要がある。
? 在宅での24時間看護が進められる看護師の役務権限と報酬の再検討が必要である。
? 急性増悪期の一時的な入院といった場面で、病院が地域医療のバックアップ機能を持つことが重要である。
? 診療所、薬局、介護施設など高齢者と関わる施設は、地域住民と日頃からのお付き合いを大事にしたいわば「なじみの関係」をつくり上げることが重要である。
? 尊厳死について今後の課題とするかなど、その取扱を明確にしておくべき。
? 後期高齢者にとって、介護と医療は組み合わせて提供を受けるものであり、医療の見直しから介護の見直しを考えることがあってもよいのではないか。

概ね、指摘事項のポイントは以上の通りですが、75歳以上という後期高齢者のみを対象とする保険制度であるだけに、課題は山積です。医療提供体制のあり方、医療サービスの内容といった直接的な問題だけでなく、終末期医療の問題、医療と介護の関係、整合性などといった難題があります。例えば、終末期医療では、尊厳死をどう考えるか(延命治療のあり方や患者のリビング・ウィルの取扱)などが議論となりました。
また、国保中央会からは、かかりつけ医体制の整備について、英国の制度をモデルとした「家庭医」制度(医師ごとに、地域住民を登録し、登録された人は、その医師をかかりつけ医とし、診療報酬は患者の人頭割りで支払われる)  が提案されています。これに対し、日本医師会などから、家庭医といった場合、特定の専門診療科だけではなく総合的な診療知識技術が必要であり、医学教育のあり方も議論しなければならず、それには時間が必要などの反論がでています。
このような議論を踏まえて、3月末までには、まずは、社会保障審議会は後期高齢者医療体制のあり方について、基本的な方向がまとめられるものと思われます。また、党医療委員会も、3月までには委員会としての意見を集約したい意向です。
これらの議論を踏まえて、来年の新制度の実施に備え、今年の秋から年末にかけては、新制度下での診療報酬、調剤報酬についての具体的な審議が行われるのでしょう。

[haiku=”げんげ田や 花咲く前の 深みどり (五十崎古郷)”/haiku]

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