藤井基之の国会レポート2004(その10)

  10月、ようやく朝夕を涼しく感ずる時期になりました。秋も深まりつつあります。今年も残り2ヵ月半。メダルラッシュのオリンピックやパラリンピック、イチロー選手、松井選手らが大活躍のメジャーリーグ、そしてオレ流対レオの日本シリーズなどに目を奪われている間に、時が何時もより早く過ぎてしまったように感じます。
 さて、第161回臨時国会は10月12日に召集され、国会も動き出しました。会期は、12月3日(金)までの53日間です。
 この国会に先立ち、9月末、小泉内閣改造がありましたが、この改造人事で、私は厚生労働大臣政務官を拝命しました。平成13年7月の参議院議員選挙で国会に送っていただいて3年余、いざ任期後半も頑張って、と決意を新たにしていた時期の突然の指名。平成9年に旧厚生省を退官して以来、7年ぶりに思いがけず古巣に戻ることとなり、感慨深いものがありました。

 厚労省の仕事は大きく厚生関係行政と労働関係行政に分かれますが、私の担当は労働関係となりました。厚生省時代は、薬務、食品行政畑の仕事をしていましたので、かつて厚生省にいたとはいえ労働行政は初めての分野です。
依然として求職状況が厳しく、また、就業形態が多様化している今日、労働行政は 極めて重要なものとなっています。厚労省が発表した今年8月の雇用失業情勢調査によれば、8月の完全失業率は4.8%、完全失業者数は314万人、このうち、「非自発的離職者」(定年・雇用契約の満了、勤め先・事業の都合)が111万人、うち勤め先・事業の都合(リストラ、倒産等)による人が80万人に上っているとのことです。 
 また、年齢別の失業情勢をみますと、314万人の完全失業者のうち、24歳未満の失業率は9.6%、64万人、25才?34才が6.0%、92万人となっており、若年層の失業率が高くなっています。
 平成14年度の失業率は5.4%、360万人でしたから、一昨年のレベルからは改善されているとはいえ、まだまだ厳しい状況にあります。景気の方も既に底を打ったとの大方の見方ですが、一刻も早い日本経済の再生を目指さなければなりません。
 また、先の通常国会で議論された年金改革では、パート勤務者、契約社員、フリーターなど、多様化する就業形態に対応した年金制度のあり方について、今後の課題として残されました。労働問題は未経験の分野ですが、社会保障制度全体の問題として、勉強して行きたいと思います。
 この臨時国会は、イラク問題、そして郵政民営化が論点となっています。また、前国会で承認された年金改革について、野党側から白紙撤回の議論がなされており、一方、自・公・民の合意による年金制度の一元化などを含む制度改革の議論がどのように行われるのかも注目されます。今後の国会審議も波乱含みです。
 
今国会の厚労省の提出予定法案は次の3法案です。
? 労働組合法の一部を改正する法律案

?
児童福祉法の一部を改正する法律案

・児童虐待等の問題に適切に対応できるよう児童相談所、市町村の役割等のあり方を見直すこと
・慢性疾患にかかっている児童に対する医療給付を創設する等
? 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案
・仕事と子育ての両立支援のための環境整備の強化

 平成15年の薬事工業生産動態統計の年報が発表されました。総生産額は、6兆5331億円で対前年0.7%増、医療用医薬品は5兆8130億円で1.5%増、一般用医薬品は6718億円でマイナス5.1%となっています。一般用医薬品生産額は、平成11年、栄養ドリンク剤の医薬部外品化等でマイナス11.4%となりましたが、その後も、市場の縮小が続き、これで6年連続のマイナスとなりました。国民の健康を守る一般用医薬品の健全な成長を望みたいものです。

 思いがけない政務官就任、政府の一員として国会審議に参加できる機会を与えられたことを感謝しつつ、国会に臨みたいと思います。

[haiku="運動会 今金色の 刻に入る (堀内 薫)"/haiku]