社会保障・税一体改革関連法案が可決・成立

 猛暑日が続いている中、ロンドン五輪のテレビ中継を深夜、時には明け方までご覧になり、連日寝不足であったと思われる方が多いのではなかったかと思います。メダル獲得数も過去最高のアテネ五輪における獲得数37個を上回る38個となり、前回の北京五輪の25個を大きく上回りました。特に、サッカー、卓球、レスリングなどにおける女子選手の活躍には目を見張るものがありましたが、終盤になりボクシング、レスリングなどで男子も負けずに金メダルを獲得し頑張りました。メダルを獲得した選手の喜びの笑顔や涙を見るたびに、これまでの並々ならぬ苦しい練習や家族等周囲の方々の大きな支援の様子が伝わり、深い感動を覚えるのは私だけではなかったと思います。
 さて、国会の状況ですが、消費増税法案を含む社会保障・税一体改革関連法案の取り扱いと国民の信を問うための解散総選挙の時期等を巡り、大混乱となりました。
 社会保障・税一体改革関連法案は6月26日に衆議院で可決され、7月11日から参議院における審議が開始されました。衆議院において可決された背景には、野党である自民党、公明党と与党民主党の3党合意がなされたからでしたが、参議院の審議が進められていく中で、関連法案の早期採決と早期解散を要求する自民、公明に対して、できるだけ解散の時期を後ろに延ばすために、関連法案の採決を延ばそうとする民主党との間で激しい駆け引きが行われました。このため自・公は、3党合意の破棄及び内閣不信任決議案と野田首相に対する問責決議案の提出までも検討するところとなりました。更に、自・公以外の野党が、増税法案反対の理由から野田内閣不信任決議案と問責決議案を提出する事態となりました。このような状況下で8月8日夜になって民主・自民の党首会談、続いて公明を加えた3党首会談が開けれ、①3党合意による関連法案の速やかな可決、②近いうちの解散ということで合意が成立し、不信任決議案と問責決議案の提出は見送られました。しかし、自・公以外の野党提出の内閣不信任決議案は、衆議院本会議の議題として取り上げられ8月9日に否決されました。
 このように混乱した国会運営の中で、8月10日やっと参議院本会議が開催され、社会保障・税一体改革関連法案が議題として取り上げられるところとなりました。8本の関連法案に対する各党からの討論が行われたのち採決に付され、賛成多数により可決、成立しました。持続可能な社会保障制度の確立のためには、安定財源の確保が必須であり、消費税の引き上げは止むを得ないものと考えます。
 今後国会は、特例公債法案等の重要法案の取り扱いと、消費税増税に対する国民の信を問うための解散総選挙の時期を巡って、引き続き波乱含みの展開となります。