第180回通常国会が閉会

 9月8日(土)まで延長されていた第180回通常国会は、9月7日にすべての委員会、特別委員会及び本会議が開催され、会期末処理が行われ、事実上閉会となりました。
 通常国会は1月24日に召集され、最重要案件は、野田首相が政治生命をかけるとした社会保障と税の一体改革関連法案でした。関連法案は衆参に設置された「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」において審議が行われてきました。国会の審議においては、大臣としての資質に問題があるとされた田中防衛大臣と告示前に個別の市長選候補者を応援する文書を自ら署名して郵送したことが判明した前田国土交通大臣に対する問責決議案が4月20日に可決されたにもかかわらず、6月4日まで内閣改造が行われなかったことから、それまでの間、一体改革関連法案については成立の見通しが立ちませんでした。
 しかし、内閣改造がなされたことを受け、6月15日に民・自・公の3党合意が得られたことから、一体改革関連法案の審議が一気に進み、6月26日の衆議院本会議で可決され参議院に送られてきました。
 しかしながら、参議院における審議においては、法案の早期採決と早期解散を要求する自・公と、解散の時期を遅らせるためにも法案の採決を延ばそうとする民主党との間で激しいやりとりがあり、8月8日夜の党首会談により「近いうちの解散」で合意したことから、8月10日にやっと参議院本会議が開催され、可決成立するところとなりました。
 一体改革関連法案が成立したことで、野党は、現政権のこれまでの国会運営の稚拙さ、内政のみならず離島問題等における外交上の相次ぐ失敗等を理由として内閣総理大臣問責決議案を提出することとなり、8月29日の参議院本会議において可決されました。
 今後、民主党の代表選、自民党の総裁選が行われることとなり、次の代表や総裁が誰になるのか、また、秋の臨時国会はいつ召集され、解散がどのようになるのかなど、波乱含みの状況が続くことになります。
 ところで、平成25年度予算の概算要求が7日締め切られました。厚生労働省の一般会計の要求総額は、社会保障費の自然増に当たる約8,400億円を含め、平成24年度当初予算額と比較し、2. 9%増の30兆0266億円と初めて30兆円を超える要求となっています。そのうち、特別重点要求・重点要求枠として1,088億円を要求しており、医療イノベーション5カ年戦略の着実な推進のために411億円、うち革新的医薬品・医療機器の創出のために341億円が計上されています。年末の来年度予算案の閣議決定に向けて、政府内での調整が行われることとなりますが、波乱含みの政治状況を考えると単純には進まないのではないでしょうか。