国会質疑と質問主意書

 1月24日に召集された通常国会は、まず平成23年度第四次補正予算を成立させ、引き続き予算委員会を舞台に、一般会計総額90兆3339億円にのぼる平成24年度予算案の審議を継続してきました。3月8日の予算委員会において審議を終了し、賛成多数で可決して同日の本会議に上程され、本会議においても賛成多数で可決されました。
 政府は、平成24年度当初予算案の規模を対前年マイナスとする緊縮予算としたと説明していますが、本来当初予算に計上されるべきものを平成23年度補正予算に計上したり、年金の国庫負担の増加分に消費税増税を見込んだ交付国債をあてるという、いわば“隠れ借金”ともいえる予算編成がなされているといった多くの問題点を内蔵しており、とても緊縮予算となっていないとして、自民党は予算案について撤回と編成替えを求める動議を提出しました。動議は反対多数で否決されましたが、参議院における予算審議では改めて、これらの問題について激しい議論が展開されることが予想されます。しかし、予算案は衆議院を通過したわけですから、参議院の議決がなくても衆議院優越規定により、4月6日に自然成立することとなります。
 さて、国会において国会議員が政府の見解を質す方法には、本会議や委員会といった会議の場で口頭により行う質疑と会議の場ではなく国会開会中に文書を用いて行う質問の二通りがあります。後者による文書のことを“質問主意書”と言います。
 質問主意書は、議長に提出され、議長から内閣に転送されます。内閣においては、質問の項目ごとに答弁の作成を担当する省庁の割り振りを行い、割り振られた省庁により答弁が作成され、閣議決定を経て、総理大臣名の答弁書が議長に送付されることになります。国会法により、答弁書は原則7日以内に送付されなければなりません。
 昨年10月の臨時国会よりODA特別委員会の委員長を拝命したこともあり、医薬品関係の問題については、主に質問主意書により政府の見解を質すこととしています。昨年11月以降に提出した質問主意書は下記の通りです。
 ○子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業に関する質問主意書
  (子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンを接種する特例交付金による事業が平成23年度末で終了となるため、平成24年度以降も継続すべきことを要請。平成23年度第四次補正予算で継続が決定される。)
 ○放射性物質に係る漢方生薬製剤等の取扱いに関する質問主意書
  (原料生薬についての規制値の設定に向けての考え方等を質問。昨年末に検査方法が通知される。)
 ○基礎的輸液製剤の安定供給に関する質問主意書
  (薬価の引き上げによる安定供給の確保を要請。3月に改定薬価が告示され引き上げとなる。)
 ○指定薬物、脱法ハーブ等の取締り強化に関する質問主意書
  (麻薬取締官の活用など、取り締まりの強化に向けた取り組みを要請。答弁書は未収受。)

質問主意書と答弁書の全文は、右欄に掲載されていますので、ご参照下さい。