野田内閣が発足し、臨時国会が召集される

 通常国会の最終日に首相指名を受けた野田氏は、9月2日新たな内閣を発足させました。党内融和を最優先にした組閣ということで人選が注目されていましたが、出足から複数の大臣の発言が問題になっています。9月2日の防衛大臣による素人発言、9月5日の厚生労働大臣によるタバコ値上げ発言、9月8~9日の経済産業大臣による放射能・死の町発言などですが、特に経済産業大臣の場合は、就任9日目に辞任となり、前途多難なスタートとなっています。
 9月13日に第178臨時国会が召集され、首相の所信表明演説及び所信表明に対する各党からの代表質問が行われました。当初、臨時国会の会期は4日間と議決されていましたが、予算委員会の開催を求め、会期の延長を主張する野党の反対があり、14日間延長され、9月30日までとなりました。現在、野田首相は国連総会に出席のため訪米していますが、帰国後予定されている衆参両議院における予算委員会で、東日本大震災の復旧・復興を中心に、新内閣の政策の在り方などについて本格的な論争がなされることになります。
 国民からの信用を失い、政治への信頼を失墜させたとされる鳩山政権、菅政権の後、野田首相がどのように取り組んでいくのか、注目されるところです。
 ところで、台風15号が日本列島を縦断し、首都圏も含め大きな被害に見舞われました。東京では、ほとんどの交通機関が運休となり、夕方から数時間にわたって多くの帰宅者の足を奪いました。3月11日の東日本大震災の復旧・復興が未だ進んでいない所に、9月初旬の台風12号の襲来による暴風雨災害、そして台風15号と、わが国は未曽有の自然災害という試練を受けています。特に、これまで経験した事のない原子力発電所の崩壊による放射能汚染への対応は、経済的にも、時間的にも、更に健康という観点からも、想像を超える取り組みが必要となってくるものと思われます。与野党を挙げて政治の力を結集していかなければならないと考えています。