通常国会の会期末を迎えて
通常国会は6月22日の会期末を前に、6月2日に内閣不信任案が提出されるなど大混乱に陥っています。特に、内閣不信任案への対応に当たっての与党である民主党内のドタバタには唖然としてしまいました。結果として内閣不信任案は否決されましたが、菅首相の退陣発言やその後の記者会見での発言などに対して、与野党から様々な批判の声が上がっています。東日本大震災の復旧・復興のための復興基本法案の成立は確実視されていますが、第二次補正予算案の編成などのための国会延長がどのようになるのか、皆目予想がつかない状況となっています。
野党である自民党としては、大震災の復旧・復興対策には政府与党に全面的に協力することとしており、5月27日には「復興への道標(みちしるべ)」と題した東日本巨大地震・津波災害及び原発事故対策に関する第3次提言をまとめ、政府に申し入れを行いました。医療、介護等の確保関係について、新たに加えられた事項としては、「被災地の三師会については新公益法人の移行期限について柔軟に対応すること」、「災害時における都道府県を超えた医療・介護・障害者等施設体制を構築すること」、「被災地では、すぐに民間が福祉施設を設置できないことに鑑み、公設民営の特養等福祉施設を整備すること」、「地域医療提供体制の復興計画策定に当たって、薬局を必要不可欠な施設と位置付け、地域における適正配置が実現可能となる計画を立案すべきこと」、「医療機関、薬局、医薬品関係業者などを計画停電の対象から除外するほか、自家発電設備を設置する際には、財政的支援を行うべきこと」などが挙げられます。
一方、国会においては5月23日の決算委員会で質問に立ちました。当日は、厚生労働省に係る平成21年度決算について審査を行いました。まず、会計検査院による平成21年度決算検査の結果、不当事項として指摘された件数及び金額とも厚生労働省関係が最も多い点について厚生労働大臣の見解を求めました。そして、医療費関係における不当事例として、医科、歯科、調剤のすべての分野で、居宅や施設の患者への訪問サービスが挙げられており、本来介護報酬請求すべきところを誤って診療・調剤報酬請求してしまう事例が少なくないことを指摘し、請求過誤が生じないような保険請求の仕組みの改善を要請しました。大臣からは、指摘になった点も含めて検討したいとの答弁をいただきました。その他、平成21年度に突然発生した新型インフルエンザ対策としてのワクチンの流通問題、特に在庫となったワクチンの回収を国の負担で行わず、全てワクチンの製造販売業者や卸業者の負担で行わせた問題についても質問し、政府の見解を求めました。
会期末に向けて、厚生労働委員会においても介護保険法等の改正法案などの審議が行われており、混乱する国会運営の中で、野党筆頭理事としての責任を果たしてまいる所存です。