10月1日、第175回臨時国会が開会されました。夏の参院選後、8月に1週間臨時国会が開かれましたが、参院選で与野党が逆転して、菅内閣が初めて迎える本格的国会であり、 テレビなどでご承知のように、冒頭の本会議から、経済対策、尖閣列島問題、小沢議員の検察審査会の起訴相当議決、検察の特捜問題など相次ぐ難問の山に、波乱含みの国会論戦の幕開けとなりました。
 この臨時国会で、国民生活に直結する最大の懸案は経済対策を盛り込んだ補正予算審議ですが、しかし、尖閣問題、小沢問題を脇に置いたままの審議は絶対に許されず、自民党にとっても正念場です。
 ところでこの国会で、私は自民党本部から、念願の参院厚生労働委員会の委員の指名を受けました。厚生労働委員会は、名前の通り、社会保障や労働問題など厚生労働政策全般を担当する委員会です。医薬品販売制度に係わる薬事法改正案の審議、薬学6年制教育に係わる薬剤師法改正案の審議、医療法改正案の審議、また、健康保険法の改正や後期高齢者医療制度、介護保険法、国民年金法などの公的保険制度、福祉、雇用問題など、国民生活に直結する政策の審議の場です。ですから、厚生労働委員会を希望する議員は大変多く、正直心配しました。
 さて、今国会では参議院は、与野党議員数が逆転するねじれ状態となっていますが、25人の与野党議員で構成されている厚生労働委員会もまた、与党民主党委員が11人(委員長を含む)、野党委員が14人と、野党委員が多数を占めています。 また、参院厚労委員会は、委員のうちから5人の理事に就任し、理事会を構成します。理事会は、委員会の審議の進行などについて与野党が協議する場ですが、今回は、民主党から2人、野党からは自民党から2人、公明党から1人が理事となることとなりました。そして、野党第1党の理事である私が、野党3人の理事の筆頭理事を指名されることとなりました。
 与野党委員数が逆転する状況では、法案は野党の委員2人以上が賛成に回らない限り、可決されません。すなわち、野党が法案の審議の行方のキャステイングボードを握っているわけです。
 この国会では、厚生労働委員会に4本の法案が提出されていますが、会期は12月3日までの2カ月と少ししかありません。補正予算、尖閣、小沢問題、特捜問題がどうなるか、その議論次第で、厚生労働委員会の審議も大きく影響を受けます。先日、厚労省から提出法案の説明を受けましたが、筆頭理事の立場は、薬事や医療、福祉問題だけでなく、労働、雇用対策など幅広く厚生労働政策に精通しなければなりません。
 大変難しい時代のかじ取りである筆頭理事の役割は重く、今から責任の大きさを痛感しています。