政権奪還を目指して

 11月16日、野田総理がようやく「近いうち」の衆議院解散という約束を果たしました。12月4日に公示され、16日の投票日に向けて12日間の選挙戦が始まりました。日本薬剤師連盟の重点候補者を中心に応援活動を開始します。初日の4日には、神奈川一区の松本純前衆議院議員の出陣式に参加し、多くの支援者とともに必勝を誓い合いました。
 民主党政権に対しては、マニフェストで約束した事項のうち、果たせなかったものがあまりにも多く、また、外交上の混乱も解決できずに放置されていることから、国民の多くが失望しており、支持率も落ち込んでいます。自民党としては、3年余に及ぶ野党生活を糧にして、政権奪還に向け安倍総裁の下で激しい選挙戦を勝ち抜く所存です。
 さて、民自公の3党合意により、社会保障の将来像を検討するための場として「社会保障改革国民会議」が創設され、11月30日に初会合が開催されました。この国民会議は、8月に消費増税法とともに成立した「社会保障制度改革推進法」に基づく法定会議です。設置期間は法律施行から1年となる平成25年8月21日とされています。国民会議の委員は、15名の有識者から構成されており、年金制度、医療制度、特に高齢者医療制度、介護等の社会保障制度全般にわたって議論することとなります。
 ところで、11月29日に国立社会保障・人口問題研究所が2010年度(平成22年度)の社会保障給付費が公表されました。それによると2010年度は約103兆円と初めて100兆円を突破したとのことです。対国内総生産比は21. 60%、対国民所得比は29. 63%と、いずれも前年度より増加しています。部門別にみると、「医療」が約32. 3兆円(31. 2%)、「年金」が約52. 4兆円(50. 7%)、「介護等福祉その他」が約18. 7兆円(18. 1%)となっています。対前年度伸び率をみると「福祉その他」の部門の増加率が最も高く8. 4%となっており、機能別で見てみると「家族」の増加率が42. 5%と群を抜いて高くなっています。これは子ども手当が2010年度に創設されたことを反映していると思われます。これらの数字は「給付費」ですので、例えば医療費の自己負担分は除かれているということに留意する必要があります。
 衆議院の選挙戦がスタートしましたが、16日の開票の結果、自民党が与党に返り咲いていることを、強く願っています。