薬事法改正案と再生医療新法が国会へ

通常国会も終盤を迎えており、7月末に予定されている参議院選挙を考えると国会の延長は行われないと思われ、国会に提出されている薬事法改正法案等については、今国会における成立は難しい状況となっています。薬事法改正の柱は、再生医療等製品と医療機器について、それぞれの特性を踏まえた規制を構築しようというものです。そして、法律名も「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変更されることになります。また、再生医療新法は、正式には「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」とされ、これまで何らの規制が及ばなかった自由診療の分野を含め再生医療等に対して、そのリスクに応じて必要な手続きを定めるというものです。

改正薬事法では、これまで医薬品に対する規制条文を準用してきた医療機器が独立した「章」として規定されるとともに、再生医療等製品も医薬品とは別に新たな「章」として規定されることになります。

再生医療新法は、再生医療等技術の安全性の確保と生命倫理への配慮に関する措置等について規定し、再生医療等が迅速かつ安全に提供され、普及を促進することを目的としています。また、再生医療等とは新法において、「再生医療等技術を用いて行われる医療(治験を除く)」と定義され、再生医療技術等とは「人の身体の構造・機能の再建・修復・形成、人の疾病の治療・予防のための医療技術であって、細胞加工物を用いるもの(改正薬事法で承認されたもののみを用いるものを除く)のうち、政令で定めるもの」とされています。更に、細胞加工物とは、「人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの」と定義されています。

iPS細胞等による自由診療を含む再生医療そのものの規制が新法で、再生医療に使用される再生医療等製品の規制が改正薬事法で行われることになります。改正薬事法の再生医療等製品のうち再生医療製品は、身体の構造・機能の再建・修復・形成に用いることを目的とした、「等」は 、疾病の治療・予防に用いることを目的とした、細胞に培養等の加工を施したものということです。

一方、再生医療の研究開発から実用化までの施策を総合的に推進するための「再生医療推進法案」及び医療機器の開発及び普及を推進するための「医療機器法案」(いずれも議員立法)が提案されており、前者については本年4月末に成立しています。二つの議員立法を踏まえて、具体的な施策が改正薬事法と再生医療新法で講じられるという姿となっています。