政府予算の成立と消費増税法案の国会提出
4月に入り、寒さのせいで開花が遅れていた桜前線が、東京都内を通過していきました。5月の連休明けに向けて日本列島を北上していき、各地の桜の名所では多くの観光客で賑わうことになるでしょう。昨年は、東日本大震災の影響で、花見を楽しむような余裕がありませんでしたし、被災地においては、まだまだ復旧・復興に向けての官民を挙げての努力が続けられていますが、桜の盛は短いものですので、被災地におかれても一時の気分転換になることを期待しています。
さて、国会においては4月5日に平成24年度政府予算が成立しました。政府は平成23年度中の予算成立に向けて国会運営を行ってきましたが、期待通りには進まず、約1週間の暫定予算を3月30日に成立させました。暫定予算は14年ぶりということで、国会の召集日の決定など国会対応のまずさが指摘されています。平成24年度政府予算案を案件とした4月5日の本会議においては、討論が行われたあと、投票が行われ、賛成110票、反対129票となり否決されました。その後、両院協議会が行われましたが合意が得られず、憲法第60条の予算に関する衆議院優越の規定により、衆議院の議決がそのまま国会の議決となり、平成24年度予算が成立しました。しかし、昨年と同様、予算関連法案、特に歳入の4割を確保することになる特例公債法案の成立にはめどが立っておらず、2年連続での財源の裏付けがないままの予算執行という事態になっています。
今国会の最大の焦点は、消費増税法案の取り扱いとなっています。政府が閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」に盛り込まれた、平成26年4月から消費税率を8%に、平成27年10月から10%に引き上げるというものです。
3月22日の財政金融委員会において、質問に立たせていただき、AIJ問題、平成24年度予算案、薬価改定等の医療費改定等についての財務大臣等への質問とともに、消費増税法案の閣議決定に向けての自見金融担当大臣の考えを質しました。民主党と連立政権を組んでいる国民新党の亀井代表が消費増税法案に反対していることから、国民新党副代表である自見大臣の閣議での署名について質問したわけです。もちろん確たる答弁はなかったわけですが、その後3月30日の閣議では署名し、消費増税法案は閣議決定されました。このため、国民新党は代表らが離党するという状況に陥っており、また、民主党内においても副大臣、政務官の一部が辞任する等混乱した状態です。同法案の取扱いが今後どのようになるのか、全く予想がつかない状況となっています。