8月6日(金) 臨時国会終わる

 10時から、本会議がありましたが、5分で終了。
 臨時国会は、予定通り、8日間の日程を終え、閉幕しました。
 この国会では、民主党から国民年金改革法廃止法案が提出されましたが、否決、廃案となりました。

 一部のマスコミでは、自民党が議論を避けたかのように報道していましたが、国会でも指摘があったように、審議するにはあまりにも雑な法案でした。もしかしたら、この法案が審議入りすることを一番恐れたのは、提案した民主党ではなかったでしょうか。

 廃止法案は、先の政府案の全てを否定するのではなく、一部を残しています。しかし、それらは、一部特定の層の給付額の増や負担減につながるものばかりをいいとこ取りしたもの。しかも、その財源は示されていません。
 例えば、老齢年金の国庫負担を2分の1に引き上げを政府案より1年前倒しで実現するといっていますが、その財源は「歳出の見直し」といっているだけ。
 改革法を廃止して、その後どうするのか。政府案をいいとこ取りしただけで、年金財政をいかに立て直し、持続可能なものとするか、という政策ビジョンは全くありません。

 年金制度の一元化を附則で謳っていますが、具体的な提案は何もありません。一元化で、国民年金を厚生年金と同じ条件にするためには、自営業者の方々の保険料負担を引き上げることも検討しなければなりません。また、所得の正確な把握のシステムも必要となります。ですから、ある専門家は、「一元化は、総論賛成、各論反対」となる、と指摘しています。
 一元化は、それを実現するためには、慎重に時間をかけて審議する必要があります。しかし、改革法を廃止し、このままなにもしないでほっておいたら、毎年5兆円近くの赤字が累積していくのです。それでは、ますます、国民の負担を強いることになってしまいます。一元化が決まるまで何もしないなどと悠長なことを言っている場合ではないのです。
 耳ざわりの良いだけの法案を、「どうせ自民党は否決する、審議が行われれる心配はない」と見越した上で、フォーマンスだけで提案したのではないか、といわれても仕方がないのではないでしょうか。仮に、本当に成立させるつもりであったたとしたら、それもまた、あまりにも無責任ではないでしょうか。

 この国会は短い会期でしたが、責任与党と、ただ政権を取りたいだけの野党との違いを、改めて認識することができました。
 年金改革の議論は終わったわけではありません。一元化も含め、三党で協議の場を作ることが合意されており、また、附則にもさらに議論を進めることが書いてあります。持続可能な年金制度とするために、議論を重ねていくことが大切だと思っています。