3月29日 再び薬剤師国試結果について
24日結果発表の薬剤師国試についてです。25日の本欄で私立大薬学新卒者に係る出願者数と受験者数との乖離について触れ、受験者の割合が出願者数の50%以下(例えば、30.9%の第一薬科大、48.7%の九州保健福祉大)の状況は不自然だ とコメントしました。では100%なら問題無しなのでしょうか?
例えば、今年の国試では、新卒合格者数141人、合格率98.60%(私立大薬第2位)、昨年は131人、97.76%(私立大薬第1位)、ともに出願者数イコール受験者数の国際医療福祉大のケースです。文科省HPから国際医療福祉大のデータを見てみますと、昨年国試受験をした、2014年入学者数は197人、うち5年次進級者135人、卒業者数は125人と入学者数の63.5%、国試合格者数123人でした。今年国試受験をした、2015年入学者数は197人、うち2年次進級者は185人、3年次進級者154人、4年次進級者144人、5年次進級者130人とされています。(入学者数ー2年次進級者ー3年次進級者)についてみますと、16年入学者では(197人ー177人ー131人)、17年入学者では(193人ー165人ー115人)。特に2年次生の留年者の多さが目立ちます。この点は、一般社団法人・薬学教育評価機構が「2019年薬学教育評価」結果報告書の中で「国際医療福祉大に対し不適切」と指摘している点の一つであり、同機構は「評価保留」の判断を下しています。
また問題点を紛らわしくしている理由の一つは、厚労省の発表にも使われている「新卒」と言う用語です。多くの人は、6年前に入学し、6年間の修学の後卒業した者が「新卒」と考えそうですが、「新卒」には留年者や卒延者などを含んでおり、「既卒」でない者を意味しています。令和2年度文科省の学校基本調査報告書でも、令和2年3月私立薬学(6年)卒業者9726人中、最低修業年数卒業者(14年度入学)は7584人、その割合は77.98%、1年超過者(13年度入学)は1257人、12.92%、2年超過者は491人、5.05%等と報告されており、6年間での卒業者は8割の達していません。加えて個々の大学での状況には大きな差があります。
大学間の比較は難しいものですが、大学間格差の存在は明らかです。
今日は選挙応援のため急遽広島出張となりました。関係者の皆様にはお力をちょうだいいたします。どうかよろしくお願いいたします!。