9月9日 ワクチンは?
政府は昨日の閣議でワクチン確保のため予備費6714億円を活用すると決めました。世界のワクチン開発競争で先行するファイザー社(米)、アストラゼネカ社(英)とは各々1億2千万回分のワクチン供給を受ける基本合意を結び、モデルナ社(米)とも供給を担当する武田薬工と通じ4千万回分の供給交渉を進める政府の予算措置です。我が国のワクチン計画がいよいよ現実のものになったか?と思われましたが、今日海外から伝えられたニュースは・・・。
最終段階の臨床治験を進めているアストラゼネカ社、オクスフォード大のワクチン。8日イギリスで被験者1名が副作用(?)のため入院、因果関係等チェック等のため、世界(英、米、南ア、ブラジル、日本)で進行中の治験を一時中断するとのことです。ワクチン開発の最終段階での開発中断事例は必ずしも稀なことではありませんが、十分な検討と情報の発信を求めます。
開発中断事例の発生と関わりがあるのかどうかは分かりません。たまたまでしょうが同じ8日ワクチン開発を進める欧米製薬9社が「安全最優先」との共同声明を発表しました。9社は、アストラゼネカ、GSK(以上英国)、サノフィ(仏)、ビオンテック(独)、ファイザー、J&J、メルク、モデルナ、ノババックス(以上米国)。声明には「最終的な治験を終え安全と効果が確認された場合のみ当局に承認を求める」「グローバルな供給体制を整える」とも。
ワクチン接種を拒否する人も増えているとの世論調査もあります。また一方で、人々のワクチンへの期待感の高まりを受けての政府決定でしょうか?。・・・ロシアは8月自国開発ワクチンを承認しました。中国は自国開発ワクチンの特定者に対する接種を許可しました。米トランプ政権は11月の大統領選前のワクチン接種を後押ししています。これら各国政府の動きをも視野に入れての、ワクチン産業界の意思表明でしょう。・・・でも世界中の人々が強く待ち望んでいます。安全で有効なワクチンの1日も早い開発の成功と製品の供給を!。