12月29日 今年の回顧(その1)
今年もあと3日となりました。今年を振り返ってみます。
まず科学技術面から。
うれしかったことのトップはノーベル物理学賞邦人3人の受賞でした。ノーベル賞選考委員会を高く評価したいと思います。感激したのは青色LED発見の意義をその社会的影響をも含め高く評価したこと。加えて、赤崎、天野、中村の3氏を等しく評価したことです。ノーベル賞受賞がなければ、シニアーである赤崎氏、その教え子として実績を積んだ天野氏、そして赤崎・天野グループとある意味で敵対関係に位置付けられ、日本を離れ渡米した中村氏が同席することはかなわなかったのではないでしょうか?。
小惑星「いとかわ」を離れ、宇宙をさまよながらも無事帰還した「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」は、12月3日種子島を発射し、現在予定通りの飛行を続けています。小惑星探査を成功させ、東京オリンピックの年、2020年の地球帰還を期待しましょう。
残念だったことはSTAP細胞問題。世界をアッと驚かせ、画期的な成果との評価でしたが・・・。その存在を追証する理研の検証実験はSTAP細胞の存在を証明できませんでした。ということは発表論文は真実ではなかったということになります。日本ライフサイエンス界の評判を失墜させ、理研の評価を下落させ、笹井氏も失いました。何よりも、一時的にせよ国民に与えた夢・期待を大きく裏切ったことが最大の痛恨事です。研究者の奮起を望みます。